4.皇帝(Ⅳ.The Emprer)

大アルカナ22枚

4.皇帝(Ⅳ.The Emprer)の意味、解釈、リーディング

4.皇帝(Ⅲ.The Emperor)

4.皇帝(Ⅲ.The Emperor)

生産と成長を司る「3.女帝」カードのエネルギーを受けて、「4.皇帝」の世界観は“維持と管理”にシフトします。つまり、秩序、統治です。

秩序は、帝国という広大なまとまりだけでなく、会社や家族という小さなまとまりにもあてはまります。

多様・多数を統べるために必要なもの。
安定のための必要なもの。

それが秩序、統治です。

大アルカナ 4番
宇宙観
※諸説あり
牡羊座(外へ向かうエネルギー、行動力)
カードからのメッセージ 帝国の統治から家内安全まで、リーダーや大黒柱に求められるものはなんでしょうか?私たちは目的と手段が入れ替わらないように、皇帝のカードをたびたび見つめる必要があるでしょう。

キーワード・キーセンテンス

目的達成
戦う(攻めのみならず守る戦いも含む)
自分を律する
リーダーシップ
チャレンジ精神

意思、信念
権威、威厳
責任感、まじめ、ストイック
秩序
一国一城の主
男性的
支配
父親のイメージ
嘘や狡い方法なしで、真っ当に頑張る

皇帝の逆位置

逆位置では、皇帝のエネルギーが[強く出すぎる、または、発揮できない]、あるいは、[動機が利己的になっている]などの見方をします。

成果至上主義
支配的
高圧的
ワンマン
独り善がりでデリカシーに欠けた言動
排他的
お山の大将
無責任
行き過ぎた管理

あるいは、
責任のある仕事はしたくない責任者になりたくない

正位置であっても、周囲のカードとの組み合わせや影響によって、皇帝のエネルギーを発揮できない状況を表すことがあります。

絵に注目してみましょう

4.皇帝(Ⅲ.The Emperor)

4.皇帝(Ⅲ.The Emperor)

「4」……四角ばった石の玉座の肘掛けと背もたれに牡羊の頭が合計4つ施されています。四大元素(火・風・水・土)、四季、方位も4というキーワードによって大きく区分できます。この世と営みを形づくり、安定させるのが「4」です。


装飾の牡羊……占星術における牡羊座を意味しています。牡羊座は火のエレメントであり、男性的、競争心、チャレンジングな姿勢が特徴です。


「赤」……臨戦態勢とでも言わんばかりの空の色。赤いシクラス(サーコート)。王冠の紅い宝石はルビーでしょう。赤い色が表すのは情熱、血潮、火(戦い)、興奮。力強い生命力を感じます。


生命のアンク……古代エジプトにおいて、“永遠の命、復活”を象徴した「アンク」が皇帝の王笏(おうしゃく)です。この形の由来は男性性と女性性の統合、天と地の結合など、様々な説があります。女帝のカードにも描かれ、金星のマークでもあります。


岩山……草一本生えていない厳しい環境は、女帝の世界観と正反対のものです。強靭な精神と肉体を持つ皇帝自身が切り立った岩山のような役割を担っています。ここでも、皇帝は攻撃のシンボルではなく、守りのシンボルであることが描かれています。


……問題があればすぐさま馬に乗って飛び出していけるよう、赤いシクラス(サーコート)の下には鎧・甲冑で武装しています。


レガリア……王冠、王笏、宝珠は正当な王であることの象徴です。宝珠は一般的に治める地上を表していると言われます。


興味深かった実占例

新しく事業をはじめることになった方から「事業がうまくいくためのアドバイスを」という依頼がありました。重要な位置に皇帝のカードが出たので「権力や地位のある人に支援してもらうとよい」とリーディングしました。

相談者は不安な部門をどうするか悩んでいましたが、その業務を専門とする人にお任せすることにしました。その人は親族であり、かつ地元の名士だそうで、「権力や地位のある人とのことでしたのでピーンと来ました」とおっしゃっていました。

さて、その後、ある企業から事業提携の打診がありで、再度、占いのご依頼をいただきました。またもや皇帝のカードが現れ、今度は、「自分の実力で勝負を!」というリーディング結果になりました。何度か先方と話し合った結果、事業提携は見送ることにしたそうです。

『背伸びしないでおくことにしました。今は自分だけの城を納得できるところまで管理したり創造したりする手応えの方を優先します』

同じカードでも周囲のカードによって解釈が変わります。(事例の人物像・職業などにフィクションを入れています)

カードの中に入り込んでみましょう

皇帝は石の椅子に座り、皇帝自身から見て右方向に視線を送っています。

0.愚者(0.The Fool)のページにも書いたように、登場人物から見たカードの右側には現実的・現世的な意味合いがあると考えています。(※すべてのカードではありません)

つまり、皇帝は現実的な問題を見つめています。

また、皇帝が右方向を見ているのは左脳を使っているから。左脳と右脳にはそれぞれの役割があり、左脳は言語(文字)や数字、倫理的、分析力、計算力を得意分野としています。左脳は意識脳、すなわち顕在意識的です。

皇帝は様々なことを左脳(計算、分析、顕在意識)でもって対処しています。しかし、だからと言って、潜在意識や感性といったものと完全に無縁というわけではありません。

皇帝の後ろに川が見えます。その川は女教皇のカードに海や湖として描かれていた潜在意識です。潜在意識の川は絶えることなく流れています。

4.皇帝の世界観

皇帝という響きから勇ましい戦士を思い浮かべますが、皇帝は帝国の統治者です。異なる言語、通貨、宗教、民族、文化、法……それらの国々を統べる立場にある皇帝に求められる力は、なんでしょうか?

武力でしょうか?

武力で支配したとしても、武力と恐怖政治では人心をつかむことはできません。戦士は敵を倒しますが、皇帝は民の命と財産を守ります。そしてよりいっそう繁栄させることが皇帝の役目なのです。

皇帝の強い意志と行動力は、支配することが目的ではありません。なぜなら、皇帝が右手に持っているのは剣ではなく、また、豪華絢爛な王笏(おうしゃく)でもなく、生命を象徴するアンクだからです。

アファメーション

さぁ、私の才能と経験を生かす時がきた。情熱と秩序をもって挑戦しよう。Cool head,but warm heart.(冷静な頭脳と温かい心)

まとめ

皇帝のカードが出たときは、目的を達成する情熱と冷静な理性の両輪で進めることができます。皇帝のエネルギーは「当たって砕けろ」や「熱血100%」「強引に推し進める」というものでは決してありません。Cool head,but warm heart.(冷静な頭脳と温かい心)を思い出しましょう。

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