0.愚者(0.The Fool)

大アルカナ22枚

0.愚者(0.The Fool)の意味、解釈、リーディング

0.愚者(0.The Fool)

0.愚者(0.The Fool)

大アルカナのはじめの1枚を飾る愚者のカード。“Fool”の意味は、「ばか」「熱中」「ぶらぶらする」などですが、彼はなぜ“Fool”なのでしょうか?

大アルカナ 0番
宇宙観
※諸説あり
風の元素、空気
天王星説
カードからのメッセージ 「~すべき。計画通りを遵守。合理性重視。」……あなたが今、そのような思考で凝り固まっているのだとしたら…。未知の体験へのワクワクなど要らないと思っているのだとしたら…。そろそろ“内なるガイド”とコミュニケーションを取るための時間をほんの少し、作ってみてください。

キーワード・キーセンテンス

始める(ワクワクした気持ちでのスタート)
無知がゆえに怖い物知らず
固定概念に囚われない新しい自由な発想
バカになってみる(まっさらな気持ちで)
楽観的
逃避的
転職を繰り返す(ふらふらする)
目移りする
目標が定まらない
良い意味絵でも悪い意味でも「とりあえずやってみる」
新たな視点、エキセントリック、奇抜なアイディア

愚者の逆位置

逆位置の場合は、楽観的さ衝動的な行動が仇になりやすいことを表しています。また、自由な発想に心躍らせる時間を持ってほしいという内なる声からのメッセージであることも。

正位置でも、現実逃避や腰を落ち着けられない様子などを示すことはよくありますので周囲のカードと併せて判断します。

恋愛面のキーセンテンス
旅での出会いや、新しい体験に伴う縁。
条件や肩書きに囚われずに人と接してみましょう。
性に自由になりすぎないよう、刹那的にならないように注意しましょう。その場の雰囲気に流されないように。
相手の位置に愚者が出た場合は、相手に責任感を求めると温度差を感じるかも。

仕事のキーセンテンス
転職は繰り返す傾向があります。ふわふわした自分探しのような一面のあるカードだからです。
仕事でのブレイクスルーには、知らない街をぶらぶらしながらブレインストーミングを。信頼できる同僚や上司に、「我ながら馬鹿げたアイディアだとは思いますが、ブレストを具現化できないか相談してもいいですか?」と持ちかけてみると意外な発展を見せるかも。

絵に注目してみましょう

0.愚者(0.The Fool)解説

0.愚者(0.The Fool)解説

白く輝く太陽……天には白く輝く光が満ちていますが、その一方で地は崖です。山あり谷あり(谷どころか崖ですが!)の現世。スピリチュアルな見守りを背に歩んでいきます。


白いバラ……白いバラ(純粋さ、無垢、はじまり)を手に持つ彼の服装もカバンもとてもおしゃれです。センスと遊び心のあるこの若者は、社会的な常識や他者の目から自由ではありますが、生活するうえで必要な道具をまだ持っていません。

理想や夢でいっぱいですが、その一方、はたしてこの先しっかりと地に足をつけて生活できるでしょうか…?


白い犬……彼自身は足元も見ずに空を仰いでいますが、その代わりといったように白い犬がお供しています。まるで、崖の危険性を教えてくれる相棒ですね。

時折「ねぇ、足元を見て」と教えてくれるのは、実のところ自分自身の声(内なるガイド)です。しかし、楽観的になりすぎているとき、あるいは何かから逃避しているときはその声に気づきません。


白色は「純粋」「神聖」「はじまり」を表します。まるで、何色にも染まっていない真っ白な心を表しているようです。


切り立った険しい山……神々が宿る山です。人間は入ることのできない神聖な場所です。


カードの中に入り込んでみましょう

さぁ、カードの中に入ってみましょう。メッセージ性のある絵が愚者にとって左側に集まっています。太陽は左上、犬は左下、遠くに見える山も左が高く、右へ低くなっています。

愚者にとっての左側:
左側は神聖さを表すと著者は捉えています。
左側は愚者が生まれてくる前にいた場所であり、やがては帰る場所です。つまりは魂の故郷、スピリチュアルな世界です。
※著者の考え、かつ、すべてのカードというわけではありません。

 

さて、愚者は、愚者にとって右方向へ進もうとしています。

カードの右側は現実的・現世的な意味合いがあると著者は考えていますから、愚者はこれから現実の世界に羽ばたいていくのです。
※著者の考え、かつ、すべてのカードというわけではありません。

0.愚者の世界観

0.愚者(0.The Fool)は合計22枚の大アルカナの始まりです。最後のカードは21.世界(XXI.The World)で締めくくられます。

しかし、愚者のカードの次に世界のカードを並べてみるとどうでしょう。世界のカードで調和と達成による大団円を迎えた魂が、心新たに意気揚々と旅に出発する様子を見て取ることができます。

大アルカナ「世界」と「愚者」のカード

大アルカナ「世界」と「愚者」のカード

軽装で、目的地を定めず、計画もなく「とにかく旅に出る」といった様子。表情には高尚さを漂わせています。

私たちもかつてこの愚者と同じように、荷物も、肩書きも、地位も、知識も持たずに壮大な旅に出発したことがあります。そうです。生まれてきたあの日です。

日本には七五三という区切りをもって、子どもの成長を慶び祝う風習があります。「7歳まで生きてこられたら成人できるであろう」という安堵の感覚は、衛生面、食糧事情、医療などが未発達であった古代や中世のみならず、現代であっても感じずにはいられません。

神の領域と現世の領域の両方を生きている幼な子。やがて7歳くらいを境に、すっかり現世になじんで逞しく様々な経験を重ねていきます。やがて老いて、また少しずつ神の領域に近づいていく……私たちはそのような命の旅の道中にいるのです。

アファメーション

先入観を知らない情熱的な旅人のエネルギーと信頼なるガイドとともに、私は人生を創造します。

まとめ

0.愚者(0.The Fool)のカードの若者は、人生そのものを体験し、味わうために、魂のふるさと(カードの右上に描かれている白く輝く光の源)からこの世に来ました。

このカードは肉体と魂の旅のはじまりを表現しています。子どものような純粋な心で、枠(境界、組織、ムラ、固定概念)から出て行く愚者のように、心のままに動かなければ旅になど出られないときがあるものです。

しかしながら同時に、準備や計画のない旅でトラブルや苦労を味わうこともあります。

愚者のカードには、創造の一歩という意味と、危険な徘徊という意味があります。判断に迷ったときは補助のカードを引いてみましょう。

「未来に崖があるかもしれないから気をつけなさい」という捉え方ではなく、「道はまだない=自分で切り開くもの」というメッセージとして捉えてみましょう。

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