2.女教皇(Ⅱ.The High Priestess)

大アルカナ22枚

2.女教皇(Ⅱ.The High Priestess)の意味、解釈、リーディング

2.女教皇(2.The High Priestess)

2.女教皇(2.The High Priestess)

ミステリアスな雰囲気を漂わせる女教皇(ハイ・プリースティス)のカードは、「白と黒」「善と悪」「男と女」のように、一見は相反するように見える2つの何かのあいだに居ます。

しかし、それらは分断されたものでしょうか?
「過去と未来」や「顕在意識と潜在意識」がそうであるように、つながりのある、相互に強く影響しあうものです。

女教皇“教皇”とは?
カトリック教会の最高位聖職者を教皇といいますが、女教皇のカードはカトリック教会そのものを指しているのではなく、宗教・信仰・祭祀において非常に重要な人物であることを表しています。

※あくまでも伝説ではありますが、女性の教皇が存在したという説があるようです。

大アルカナ 2番
宇宙観
※諸説あり
月(感受性、感情、無意識)
カードからのメッセージ 直観やインスピレーションは感情的で情緒的なものだと誤解されがちですが、もちろんただの思いつきではなく、冷静な観察と思考によって導かれたアイディアです。このように書くと、女教皇はまるで“融通の利かない、お堅い人”のように思われるかもしれません。それこそが誤解です!

キーワード・キーセンテンス

よく観察する、見通す、見抜く、見極める
直感、インスピレーション、研ぎ澄まされた感性
バランス、安定、あちらとこちらのバランサー、調整
周期と法則性
高い霊性の女性性イメージ・処女性(聖母マリア、巫女、女性神官)
知恵、才智、律法、真理、良き相談者
潜在意識と顕在意識、直感と理性

受動的、見守る、受け取ってから渡す
理性的で静かな言動
ミステリアス、神秘的

女教皇の逆位置

逆位置では、上記のキーワード・キーセンテンスのエネルギーがうまく流れていない状態や過不足を意味します。
また、正位置でも周囲のカードによっては……

「理性的に考えられていますか?」と問われている
ひとりでゆっくり深呼吸する時間が必要
自分の内なる声を無視したり押し殺したりしている
余裕の無さから自己中心的な言動をしていないか振り返る
その質問には、まだ明らかになっていない出来事や問題がある
あなたの献身に周囲のひとは気づいていない
あなたの理想に周囲がついていけない

タロットは“そのまんま”な出方をすることがよくありますが、上司と部下のあいだで苦労している女性管理職の方によく見られます。

また、ルール・律法ありきという態度では世界を狭めてしまいます。

絵に注目してみましょう

2.女教皇(2.The High Priestess)

2.女教皇(2.The High Priestess)

女教皇の頭にある冠は太陽と月をあらわしている説、満月と三日月であるという説があります。著者はエジプトの女神・ハトホルがモデルなのではないかと考えています。牝牛の角を月、そのあいだにあるのが太陽円盤です。


まるで水の流れのような青いドレス。聖母マリアのシンボルカラーである青色は真実や誠実さをあらわします。


黒い柱のBは「ボアズ (Boaz)」の頭文字で闇、白い柱のJは「ヤヒン (Jachin)」の頭文字で光を意味します。

これはソロモン王の神殿の正面の2本の柱と言われていますが、旧約聖書におさめられている『列王記』(れつおうき)第7章では、に立てた柱をヤキンと名づけ、に立てた柱をボアズと名づけたと書いています。そうだとすれば、このカードには周期(時間)と方位に関するものが描かれていることになります。

光があればかならず影が生じます。陰と陽は一体です。


女教皇が手にしているTORA(トーラー)には、この宇宙の大いなる原理や真理、あるいは律法が書かれています。TORA(トーラー)が衣服で隠されているように、その内容を私たちが知ることはできません。


左の足もとに三日月を配置しています。月はすなわち周期であり、女性性のシンボルです。


ザクロナツメヤシ(実であるデーツも描かれている)模様の幕がかかっており、そのむこうには海が見えます。


女教皇のカードをより理解するために、ザクロとナツメヤシ(デーツ)が女性性、生命力、豊穣、子孫繁栄の象徴である理由をコラムページに書きましたので、ぜひご覧ください。

ザクロ:写真ACより

2.女教皇の世界観

女教皇カードの世界観のキーワードは、2(二元論)です。

女教皇の背後にある黒と白のふたつの柱と幕。その向こうには海が広がっているのが見えます。海は潜在意識を表しています。

白と黒
潜在意識顕在意識

世界には広がりと奥行きがあり、さらにこのカードには重要な概念があります。それは、<時間、すなわち周期>です。空間と時間で宇宙が成立します。

女教皇が足元に従えている月は周期の象徴です。時間とは川の流れのようにただ流れて過ぎ去っていくものではなく、周期なのです。

地球が太陽のまわりをまわり、月が地球のまわりをまわる。それらは時間を生んだのではなく、昼と夜、春夏秋冬、海の満ち引き……すなわち生命のサイクル(命のゆりかご)を生み出しました。

女性性とは直接の出産を指すのではありません。女性性は生命を育てる周期です。
サンゴの産卵を促す月の満ち欠け・海の満ち引きのような周期です。

アファメーション

私はゆっくりと深呼吸をし、リラックスした足取りで潜在意識の浜辺を散歩します。そこには、美しい珊瑚や白金に輝く貝殻─直感─との出会いがあります。
瞑想の時間がもたらしてくれた直観は、書店でふと目に飛び込んできた雑誌の表紙に、偶然の電話や出来事となってヒントを授けてくれるでしょう。

まとめ

周期を知ることは、生命の叡智そのものです。女教皇が教えてくれているのは、顕在意識と潜在意識の両方を大切にしながら「周期やリズム」をよく観て、真実を求める姿勢です。

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